私が先生時代、こんな相談を受けたことがあります。
「先生、子どもが嫌になる時はありませんか」
「イライラしてしまって、子どもにあたってしまうんです…」
当時、私は独身で幼稚園教諭3年目。ただただ毎日可愛い子ども達と接するのが楽しかったので嫌になることなんてありませんでした。なので、あの時はお母さんの気持ちに100%寄り添えなかったと思います。
今、母親になり、親業の責任の重さや大変さを見に染みて感じています。
お母さんがいっぱいいっぱいになる気持ち、そんな中で今の状況を脱出したいと切に願う気持ち、本当は可愛くて仕方ないはずがそう思えなくなってしまう瞬間がとても辛い気持ち…
今ならよく理解できます。
しかし、共感だけでは次に繋がらないのです。
背中をポンと押せるような、家庭教育のヒントを伝えられたらそのお母さんは楽しんで子育てできたのかなと思いました。
そこで今回、親野智可等(おやの ちから)さんの
「親力(おやりょく)」で決まる!
子供を伸ばすために親にできること
という本を紹介します。
親野智可能等さんは現役の小学校教師でいらっしゃいます。現場に出ているからこそ見える、親の力が子どもにどのような影響をもたらすかについて書かれており、改めて親の責任の重さを思い知らされました。
特に小学校を持つ親御さんは、家庭でできる国語・算数・理科・社会の勉強方が詳しく書かれているので、今日にでも実践したくなる内容ばかりです。
例えば親力12(子育てヒントがいくつかある)で親子日記は、書く力をつけるのに効果抜群
と、書かれています。
幼稚園の年長だったAさんの家庭は、お父さんの帰りが遅く、あまり話ができなかったことがきっかけで交換日記を始めたそうです。
始めは「○○ちゃんとあそんだよ」程度だったのが、返事が返ってくるのが嬉しかったり伝えることがどんどん楽しくなって、1年後の小学会に入学する頃には大学ノート1ページくらいは楽々書けるようになったそうです。
お父さんに伝えたい!と言う純粋な心が、楽しんで勉強できる原動力になり、親子の絆も深まり一石二鳥、いやもっと得たものがあると思います。
このように、子どもが楽しんでやってみようと思えるような環境を作るのが親力ということが分かりました。
そのヒントがこの本には沢山書かれてあります。
娘はまだ2歳ですが、やってみよう❗️という好奇心をくすぐる環境作りは幾らでもできると思います。
親が勉強していれば、勉強しなさいと言わなくても親の姿を見て自然に勉強をするようになるとのことですが、夫婦共に子どもの前で本を読んでいると絵本を持って私達の間に座り、娘も静かに絵本を読んでいます。
これが親力か!と実感した一コマもありました。
親も子どもも共に笑顔で過ごせるような、また楽しんで家庭教育が進められるような一冊に出会えたような気がしています。