最近購入した本で、すらすらすら〜と一気に読めた1冊
奥田 健次さんの『子育て プリンシプル』
帯には注意書きで
本書には、親にとってシンドイ姿勢を求める提言など、カゲキな発言が含まれています。
と、小さく書いてあり、とても気になったので購入に至りました。
保育士・幼稚園教諭をやる上では、オブラートに包んで伝えることが多かったですし、自分の未熟さからはっきりとは言えないもどかしさなど、保護者に伝える難しさを感じていたので、自信をもってズバッと提言できる奥田さんが羨ましくもあり、こうなりたいと思いながら読み進めていました。
本書で使うプリンシプルとは
「親子関係の秩序」「公共のルール」「自然の摂理」などを意味するそうです。
これは昔からの子育て論に近い、ダメなことはダメと親がしっかりと威厳を持ち、大きな幹のある家庭の築き方を教えてくれるような感じでした。
威厳というと威圧的に感じますが、そうではなく、どんなことにもどんと構えて筋を通す子育てのあり方で、子どもが困らないように20年間一生懸命子育てしろよ‼️と言われているような喝を入れてもらった気分にもなりました^_^
手がかからない子育てはない
この言葉が非常に心に刺さりました。
よく、
女の子は聞き分けがいいからいいね👍
女の子は落ち着きがあるね👍
と言われますが、
本当に手のかかる子なんです。
ここまで育てるのに疲労困憊です。と言っても自慢に聞こえるようにも思って、元保育士だったことを隠したいくらいでした。
確かに、昔に比べて落ち着きが見られるようになったし、きちんと話を聞く姿勢や我慢できる場面も増えてきました。
ここに至るまで、沢山娘と向き合って、感情をお互いにぶつけ合って、一生懸命子育てしてきたつもりです。
今は私が妊婦なのでそこまで付き合えてないですが、赤ちゃんの頃は毎日抱っこ紐でお散歩しながらその時々の季節の歌を歌ったり、言葉が分からないだろうけど「今日は寒いね」などと語りかけたりしていました。
大きくなると体力がついてきて、なかなか寝ないのが悩みで、午前中に支援センターに出かけて、出先で手作りお弁当を食べ、午後も近くの公園に連れて行って夕方まで遊んだり…できる限り娘と向き合ってきた自信だけはあります!
それがこの一言で報われたような気がして、涙が出そうになりました。
感情的に怒ってしまうことが度々ある自分を反省し、親の姿勢について改めて正してもらった思いにもなりました。
奥田さんは専門行動療法士・学校心理士・臨床心理士の資格を持っておられ、発達につまずきのある子どもとその家族への支援をされているそうです。
相談者の悩みとズバッと解決した方法・どんな風に子どもや親が変わっていったのかが具体的に書かれてあり、すぐにでも実践できる内容ばかりでした。
登校拒否の小学校6年生の息子を持つお母さんが色々な専門家に尋ねたけど一向に改善されなかったのに、奥田さんの言葉の処方箋でお母さんが実践したことで、3日で登校したそうです。
全ては親が変わること。これに尽きることを思い知らされました。
子育てを長いスパンで見た時に、一時の子どもとの衝突を見ないふりしていては後々子どもも親も苦労します。
それなら、今、全力で子育てに取り組んだ方が賢いやり方なのです。
分かっちゃいるけど…
という言い訳は通用しません。今必要なんです。今なんとしてでもやらなければいけないんです。
私はそう捉えました。
子どもを育てる責務を痛感した1冊でした。
「子どもの気持ちに沿って」
と、どの育児書を読んでも出て来るワードですが、その意味の本質を履き違えて甘々に育てた結果、悩み苦しんでいる方にぜひ読んでほしい1冊でした。
また、保育関係の仕事をしている方にもオススメです。
私は家庭保育と園での保育の違いについてよく分かっていなくて、子育てしている上で保育の経験が変なプライドとなり、とても苦労しました。
親の在り方が分かると、保護者へのアドバイスをしやすくなると思います。
子どもの生きる力を築く為には親の関わり方が大きく影響することが改めて分かりました。
その中に土台家族というのがキーワードでありました。
家庭でのルールがしっかりしており、一貫していること。
ルールを伝えて終わりでは不十分で、親はその都度丁寧な関わりをし、子どもは何度もルールを知る練習をする。
相当な手間と労力を要するのですが、何年も長ーく駄々をこねられるより、1週間・1ヶ月・1年間と集中して親子で頑張ることで次が見えてきそうな気がします^_^
辛くなったら読んで背中を押してもらおうと思う1冊でした。